早春賦 2015
先週の土曜日3月21日は「春分の日」でしたね。
極北の地の長く暗い冬も終わりを告げ、この日を境にどんどん日が延びていきます。
ちなみに、春分の日の翌日3月22日の日の出、日の入りの時間は、というと、
日の出6:16、日の入り18:38、昼と夜の時間、確かにほぼ半々ですね。
さて、冬至の日はどうだったかというと、
日の出9:36、日の入り15:01、昼の時間は約5時間半。(参照:過去記事 「フィンランドの冬至」lumilinna.hatenablog.com)
つまり、冬至から春分の日まで、たった3ヶ月で6時間半も日が延びたことになります。
そして夏至の頃には、昼の時間が約20時間(日の出3:42、日の入り23:11*1)と、これから3ヶ月でさらに8時間延びることになります。これから延び具合が加速しますねー。
春分の候、日本からは桜開花のニュースが聞こえてきました。
フィンランドではまだ早春。先日、春の風物詩、南の国から戻ってきた白鳥が湖に降り立ちました。
今日は、解け始めた湖の氷の上で、優雅に佇む姿が。
暖かくなった、と思うと、また寒くなり、今朝も外はうっすらと雪化粧。早春ってそんなもんですよね。それでも春は間近です。
ふと、小学唱歌「早春賦」を思い出しました。
84%部分日食 @ Tampere
先の記事で、お天気が心配された、先週金曜日3月20日の日食ですが、
お陰さまでお天気に恵まれ、無事観測することができました o(^∇^)oワーイ♪.
ここタンペレでは日食率?84%の部分日食。部分日食は以前も見た事はあるのですが、ここまでの日食は初めてかもしれません。
あまり上手に写真は撮れなかったのですが、スマホで撮ると、太陽の下にミラーイメージの太陽の影が映るのですね。面白い。
それから、玄関先の生け垣の影も面白かったので、それも激写!の割りにはピントが合ってませんけどね。
何かにつけて冷めてるフィンランド人ですが、こういうときはやはり盛り上がるのね、というのも面白かった。かなりの人が #auringonpimennys でツイートしてましたし。
#auringonpimennys - Twitter Search
次回フィンランドで日食が見られるのは2026年だとか。このときは、何と皆既日食になるらしいんです。今から楽しみ!やはり、一度は見てみたいですよねえ。
オーロラと皆既日食
先日3月17日は素晴らしいオーロラ日和でした。
日没後、地平線がまだうっすらとオレンジ色に染まっている頃、
「来たーっ、オーロラアラート来たーっ!!!」
たしかに、空には、オーロラらしき白く霞んだ光の筋が。
今ひとつ、光が鮮明ではなかったので、この時は諦め家の中へ。
すると、まもなく、第2弾のアラートが!
今度は光の筋がみるみる天空全域に広がり、真上から降り注ぐような光の波に。
オーロラはフィンランド語で「revontuli」といいます。日本語では「キツネの炎」という意味です。この日のオーロラは、まさしく激しく揺れ動く炎のよう!今回、revontuliという名まえがついた所以を初めて理解できました。
今まで何度かオーロラは見たことがありますが、この晩のように激しいオーロラは初めてでした。そして、この晩はいつにないスーパーストームレベルのアラートが午前1時過ぎまで続き、天空から降り注ぐオーロラ、北や西の地平線上にカーテンのようにゆらゆら揺れ動くオーロラ、刻々と姿を変えるオーロラ、様々な形のオーロラを見ることができました。
ちなみにオーロラアラートとはこのサイト。これをツイッターなどでフォローしていれば、オーロラの出そうな時間を逃さずに済みます。
ただ、オーロラを写真に収めるのは難しい。やはり携帯のカメラでは無理なようです。ですので、ここに紹介できるような自分で撮った写真はないのですが、このYLEニュースサイトには,フィンランド各地で撮影された様々な形のオーロラ写真が満載。
いや〜、本当に素晴らしいオーロラでした。
そして、子どもの頃から、いつか見てみたい、と思っていたのが、「オーロラ」「南十字星」そして「皆既日食」です。幸いオーロラは見る事ができました。南十字星は、南半球に行ったことがないので、まだ見た事はありません。そして皆既日食にまでは至らないものの、なんと、明日3月20日に、部分日食が、フィンランドで観測できるようなのです。ヘルシンキでも78%の部分日食を見ることができるんだとか。ただ、気になるのはお天気。ここしばらく晴天続きだったのが、明日に限って曇りマークが!
Let's fingers crossed!
どうか晴れますように!
バレエ「ムーミン谷の彗星」初演に行ってきた!
ここから、公演の内容やら、感想やら、批評?もどきを書いていきますので、今後観る予定の方、ネタバレ注意です。詳しく知りたくない場合は、とりあえず、ここで止めといてください。そして、観劇後にまた戻ってきてくださいね。
彗星が地球に向かっている、激突するかもしれない、という噂が飛び交い、ムーミン谷の住民たちはパニックに陥る。。。事の真相を確かめるために、ムーミンとスニフはおさびし山の山頂にある天文台に向かい旅立つ事に。旅の途中で川辺でキャンプをしていたスナフキンに出会い、3人で調査団を結成し、山頂を目指す事になりますが、、、そうする中、彗星は地球にどんどん近づいてきます。果たしてムーミンたちは助かるのか!?
この原作をバレエ化するにあたっての大きな改変はないようです。最大の挑戦は、ストーリーを知らない人に、いかに台詞なしで、踊りだけで物語を語るか、ということでしょう。
会場ではプログラムを4ユーロで販売しており、その中に1幕、2幕のあらすじが書かれているので、それを読めばある程度舞台の展開を追う事はできるでしょう。私もそれを読んで、ストーリーの記憶を呼び起こしましたし。加えて、それを読むことで、「ははーん」とトレーラーで見た踊りやキャラクターなど、納得した部分もありました。
まず、この作品に登場するメインのキャラクターですが、
- ムーミントロール
- 彗星
- スニフ
- スナフキン
- スノークのお嬢さん
- ムーミンママ
- ムーミンパパ
- 大とかげ
彼等が、ヴァリアシオン、パ・ドゥ・ドゥ、パ・ドゥ・トロワ、あるいは群舞に交じって踊ります。
そこに、何種類もの群舞によるキャラクターダンスが加わります。ここに思い出す限り順不同にリストアップしてみます。
- ムーミンとスニフ
- ムーミンパパとムーミンママ、そしてじゃこうねずみ
- 彗星と北斗七星+2つ星
- ムーミンとスノークのお嬢さんのパ・ドゥ・ドゥ(夢の中で)
- ムーミン、スナフキン、スニフのトリオ漫才
- ニョロニョロの群舞
- 天文学者たちの踊り
- 黄金虫の踊り
- 蝶々の踊り
等々。
実は、メインのキャストよりも、コールド・バレエの踊りが最もバレエらしく見応えがありました。というのも、個々のキャラクターは(子どもたちにもわかりやすいように)ストーリーを語る役割を負っているために、踊りよりもマイムが多いのです。
舞台装置は少なく、アニメ風の映像でムーミン谷や星空を視覚化。 色彩の印象は、トーベの色使いではなく、アニメ『楽しいムーミン一家』の影響が大きいか?
「ムーミン一家とスノークのお嬢さん」の衣装は、、、ムーミンそのものですね(*^^*)俗に着◯◯みと呼ばれていますが、あえてこの言葉は使いません。ディズニーランドでもミッキーはミッキーですね。
日本のネット上の前評判では否定的な声も多かった、このムーミンの衣装ですが、ムーミンのお話は過去にもオペラやモダンバレエになっていますし、個人的にも見慣れていることがあるのでしょう、舞台でも違和感はありません。
「彗星」や彗星が従えた「北斗七星+二つ星」は古典バレエならではのクラシックチュチュを着用。特に「彗星」は真っ赤なチュチュが鮮やかです。
「スナフキン」や「スニフ」は、あのまんまです。特にスニフは飛んで、跳ねてのヴァリアシオンを見せてくれました。
とっても面白かったのは、「ムーミン」と「スノークのお嬢さん」が、夢の中で踊るパ・デゥ・ドゥ。この作品の見せ場の一つです。夢の中、という設定なので、ダンサー二人が素顔でアダージョを踊ります。衣装は真っ白、特にスノークのお嬢さんは、ポニーテールに、エンパイアラインのドレスで清楚さが際立ちます。
音楽は、このバレエのために新たに作曲されたオリジナル。実はあまり音楽は印象に残っていないのですが、新聞評によると、古典的ハリウッド映画のようだった、とか。要は、危ない場面ではいかにも危なさそうな音楽を、楽しい場面では、明るく心弾むような音楽、ということなんだと思います。*1
この創作バレエを観劇しての率直な感想は、
「まず子どもありき」という明確な創作意図があったんだろう、ということ。
そしてストーリーを語るうえで、マイムの多用、がとても目につきました。
でもね、ちょっと子どもに歩み寄り過ぎた感もあるんですよ。
たとえば、子どもが喜びそうな動物や昆虫を多用したキャラクター設定や、群舞にコミカルな踊りが多用されています。
バレエを堪能したい向きには少々物足りなさが残るかもしれません。
加えて、各キャラクターの役作り。何となく演出家/振付家はムーミン小説にあまり馴染んでなかったのかな、という印象がぬぐえません。一つ一つの踊りはとてもよいのですが、全体としてムーミンの世界観や、トーベ・ヤンソンのアート性があまり伝わってきません。特にスナフキン。地球滅亡の危機に嘆き悲しむスナフキンは全くキャラじゃない。これ、とても違和感がありました。
実は観劇にあたり、もっと実験的な作品を予想していました。会場も数千人入る大ホールではなく、定員300人ちょっとの小ホールだったので、これぐらいの人数のほうが、実験的作品も発表しやすいのか、なんてね。しかし、ふたを開けてみたら、ひねりなしの直球、そして「子どもバレエというオブラートに包まれた正統派古典バレエ」でした。
では、本レポート最後に、衝撃の事実。
このバレエの主役は「ムーミン」?
「いいえ違います。」
作品を見終わった後の印象、舞台での存在感、ともに圧倒的だったのが真っ赤な「彗星」でした。
バレエ「ムーミン谷の彗星」初演、いよいよ明日にせまる!
以前の記事「ムーミン、フィンランド国立バレエ団デビュー! - Lumilinna」で書いた「ムーミン谷の彗星」初演がいよいよ明日3月6日にせまりました。
初日のチケットは早々に売り切れ。公演回数が多くないこともあってか、売り切れの日が多いようです。それだけ注目されている、ということなのでしょう。
この作品は、対象年齢4歳以上、となっているので、当然子どもの来場が多いことは予想されます。でもバレエですから、子どもも大人も楽しめるような作りになっているのでしょうね。クリスマスの定番「くるみ割り人形」は子どもも大好き、実際子どももよく観に来ていますしね。ただ、フィンランドでは、ムーミンは子どものもの、と捉える人が多いので、どの程度大人のみで観に来ているかも注目したいところ。
先日オフィシャルムーミンサイトが公開したドレスリハーサルの写真を見ると、おぉ〜スノークのお嬢さんがトウシューズを履いて踊っている!大とかげもトウシューズを履いてる!
Comet in Moominland ballet | Facebook
さらによく見ると、ムーミンとスノークのお嬢さんがペアのようなので、二人のパ・ドゥ・ドゥなんてのも期待しちゃっていいんですよね!そして、この二人、ムーミンとスノークのお嬢さんのときと(あまり使いたくない言葉ですが、いわゆるkigurumiを着ているときですね)、素顔のダンサーのときがあるのですが、これはどのような物語の設定で変わってくるんでしょうね。この辺も楽しみです。
このムーミンバレエ、日本のネット上では、賛否両論なんでしょうか?「みたくね〜」というコメントをずいぶん目にしました。ただ、先入観でものの善し悪しを決めつけてはいけませんよ。自分の目でしっかりみること、大事ですよね。
お、トレーラーもありました。
にょろにょろ〜〜〜(*^^*)
こういう全幕ものの創作バレエって、作る方も楽しいでしょうね。特にバレエの場合、せりふもなく、すべて踊りで表現する訳ですから、バレエの鉄則に則って、だれを組ませて、どこでパ・ドゥ・ドゥ入れる、とかここアダージョとか、群舞はどうする、とか。初めて観る方も、いろいろ想像が膨らみます。彗星をフェアリーのように女性ダンサーで表現するの、面白いですね。まあ、フェアリーの設定は王道ですけど。にょろにょろの群舞も観てみたい!
ということで、明日、ヘルシンキまで観に行ってきます!
今日の一枚
お客さん、来てた?
春の訪れ2015
2015年の春は例年より早くやってきました。
1月こそ氷点下の日々が続きましたが、2月に入ってからは、日中0℃を上回る日が多く、ここ1週間ほどは、小雨続き、ということもあり、雪解けが進みました。
3月初めにこれだけ地面が顔を出すのは珍しい。湖の氷も溶け始め、水面が姿を見せ始めました。
日本のように春一番が吹くわけではないのですが、すでに春の気配を空気中に感じます。同時に花粉も(^^;)あ、フィンランドには杉はないので、白樺花粉ですけどね。南風に乗って南方から飛んでくるのでしょう。木々から新芽が吹き出すのももうすぐですね。
そして、フィンランドで春の到来を告げる音、オートバイの音が聞こえるのもそう遠くはなさそうです。*1
そうそう、3月3日は雛祭りでしたね。もうずいぶんお雛様を見ていません。特に我が家は、私以外はニャンコも含め男ばかりだし。来年こそはお雛様を飾ってみましょうかね。
*1:冬場は積雪や路面が凍結しているのでオートバイには乗れません。