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Lumilinna

今日も、気ままに フィンランドから

My Favourite Things: Ballet

Ballet

ブログも徐々に軌道に乗ってきたところで、今まで貯めていた諸々も少しずつ書いていこうと思います。

まず、バレエのことから。

私、自他ともに認めるバレエ好き。先日、こんなアンケートがあったので、回答しながら、私にとってのバレエとは何か、少し考えてみました。

これから、覚え書き程度に、書き残しておきたいと思います。

私が初めてバレエというものを知ったのは、おそらくバレエ漫画を通して。昭和の女の子は、みんなバレエに憧れていたのではないでしょうか。

真っ白なチュチュにティアラ、ピンクのトゥシューズ、そして白鳥となって優雅におどるバレリーナ、どれをとっても、当時の純日本的な現実とはかけ離れた夢の世界。

いつか自分でもバレエを踊ってみたい!と願うも田舎住まいの悲しさよ、どこにもバレエ教室なるものはなかったのです。

そして、私のバレエ好きを決定づけたものは、なんといっても、バレエ漫画の最高傑作『アラベスク』。後にも先にも、それを超えるバレエ漫画には出会っていません。といっても、過去23年間は海外住まいゆえ、その間に出版された作品はほとんど読んでいないのだけれど。

ストーリーのみならず、ビジュアルの美しさ、まるで三次元の舞台を見ているかのように描かれたバレエの動きやポーズ、舞台やバレエ作品の空気感や雰囲気の具現化。どれをとっても素晴らしいアート作品だと思います。『アラベスク』は、フィンランド暮らしの今も手元におき、時々読み返す愛読書なのです。

思えば、私のロシアバレエ、特にマリンスキーバレエ団好きも、『アラベスク』の影響によるところが大きいのです。作品の中で語られる「アクロバティックなボリショイとエレガントはキーロフ(現マリンスキー)」とは言いえて妙、そしてそれは、今の私にも踏襲されているのです。

そういえば、今年のソチオリンピック閉会式で、ボリショイとマリンスキーバレエ団の競演が見られましたね。ここでも、私はマリンスキー贔屓でした。「薔薇の精」は素晴らしかった!

そんな私の初バレエ体験は、当然キーロフバレエ団でした。そして、演目は、王道「白鳥の湖」。オデット/オディールはもちろんのこと、コールドバレエの一糸乱れぬ美しさは圧巻でした。

それからは、もう怒濤のごとく、バレエ観劇に通ったものでした。モダンバレエのベジャール、ジョルジュ・ドンの「ボレロ」、19歳でエトワールとなり戦慄デビューしたシルヴィ・ギエム。古典バレエなら他に追随を許さないロシアバレエ、バレエ三昧でした。

そして、いつしか観ているだけでは満足できなくなり、ついにお稽古に通い出したのが20代になってから。でも、悲しいかな、バレエのための身体は子供の頃に始めてこそできるもの。20代からでは、中々バレエらしい優雅な動きが身に付かないのです。それでも、ただ、バレエをやっている自分に満足していたんですね。

それまで、何をやっても長続きしなかった私が、その後の留学先のイギリスでも、お稽古場を探して続けていたんだから、やはりよほど好きだったんでしょう。16年前にフィンランドに来た当初も不定期ながらお稽古は続けていたのに、今から10年ぐらい前でしょうか、だんだんとお稽古場から足が遠のいていきました。多分、家庭と仕事の両立に手一杯で、趣味に時間を費やす精神的な余裕がなくなってしまったんだろう、と思います。

その後は、バレエはおろか、ほとんど運動をしない怠け癖がついてしまい、身体も堅いし、ちょっと動かすだけで痛いから、よけい動かない、柔軟なんてもってのほか。今思うと、なんとも情けない体たらくさでした。

この頃も、またバレエやりたいな、って気持ちはあったんですが、もう無理だろうって、諦めてたんでしょう。でも、何か始めなきゃ、っていう危機感があったんですね、きっと。そして、やるんだったらバレエじゃなくて、何か軽い運動がいいんだろうなって。

そんなある日、家に届いた生涯学習の講座案内を見ていたら、「大人バレエ」があるではないですか、それも初心者から、中級、上級とレベルも選べる。ついていけるかどうか、不安はあったけど、思いつきと勢いで申し込んだのが3年前のこと。

久々のバレエは、予想以上にきつかった。身体の堅さに加え、足は伸びないわ、つま先立ちはできないわ、情けないこと限りなし。1時間15分のお稽古のあと、膝ががくがく。まあまあ、筋力、体力のないことこの上なし。そして、若い頃と違って、無理がきかない、というのは感触でわかっていたので、怪我をおそれて無理をしなかったから、まあ上達の遅いこと。

3年続けてみて今の感触は、やっと身体がバレエについてきた感じです。といっても、子供の頃にバレエをやっていた訳ではないので、バレエ向きの身体にはもうなれないし、股関節からのターンアウトなんて不可能。背中の筋肉もなかなかほぐれないから、身体が反らない。

そして何と言っても、一番の難関は、顔、首、腕、足、かかと、つま先など、それぞれのパーツをきちんとコントロールして、バレエらしい動き、ポーズを作ること。頭で考えると、身体が動かない。一つのことに集中すると、他のことがおろそかになる。バレエは、いくつものカウンタームーブメントを組み合わせて一つのポーズを作るので、一瞬のポーズにも、様々な動きが組合わさっています。だけど、一瞬の動きをするのにいちいち頭で考えていてはとても追いつきません。練習を繰り返して、自然と身体が動くようにならなくては。だからとても時間がかかるのです、特に大人は。

そして、大事なのがインナーマッスルを鍛えること。上に引き上げる力を利用してバランスを取るにはインナーマッスルが必要なのです。でも、それに集中し過ぎると、お腹とおしりの筋肉がゆるみ、ターンアウトがおろそかになる。できた、と思うと、今度は肘がゆるみ、バレエらしい優雅な腕の動きができない。これに振付けが加わったらどうなります?バレエの先生がいつかおっしゃってました、「踊りはボケ防止に最適なのよ。」さもありなん、です。

そして、今の目標は、180°前後開脚と、ターンアウト、そして甲出し。目指すはトゥシューズです!実は今シーズンから、トゥシューズを履き始めたんですが、まだまだ身体がついていかない。まず足にフィットするトゥシューズ探しが難しい。この夏日本帰国時に1足新調したのですが、猛暑下でのフィッティングで足がむくんでいたんでしょうね、フィンランドで履いてみたらどうも大きすぎるようなのです。仕方がないので、先日もう1足新調。しっかり立てるのですが、まだフィットしきれないのか、左足が痛いのです。もう少し馴染んでくれば大丈夫そうな気もするのだけれど。

そして、もう一つの目標は、来年春に、お稽古場の春の公演に出演すること。演目は「白鳥の湖」。私たち大人バレリーナは、2幕の群舞の一部にちょこっと出演するらしいのです。ちょこっとでも、きれいに踊り切るには、相当のお稽古が必要。ん十年前に「白鳥の湖」から始まった私のバレエ体験も、やっとここまできたか、と万感の思いあり。(←大げさ)いずれにしても、今回の公演、記念すべき出来事になりそうです。

結局、私はバレエというアートフォームが好きなのですね。それに少しでも関わっていたいという願い、子供の頃かなわなかった思い、これがあるから今まで続けられたんでしょう。 でもね、バレエって、やる人を選ぶんですよね。ふと我が身を振り返ると(鏡をみると)... 自己満足の世界です。

おっと、バレエの話は、話し出したら止まらない。まだまだ話し足りません。ギエムの話もしたいし、先日買ったDVD「Grand Pas in the White Night(日本では以前「ニュイ・ブランシュ・ド・ラ・ダンス」としてVHS販売されたもののロシア版)の感想も書きたいし。まあ、これは、次の機会といたしましょう。

長々と、とりとめのないバレエ話にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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